「ウゴッ!!いって〜〜。なっ何なんだ?」
そりゃぁ痛いよな。なんせオレは寝ている天国の真上からやたらと重いダンボールを落としてやったんだから。
「さっ沢松?てっめ――!人が気持ちよく寝てんのに何しやがる!!」
天国はオレを睨み付けながら叫んだ。
・・・けどよ、ボサボサの頭、口の周りにはヨダレの跡が残っている。
そんな姿で睨まれたってちっとも恐さなんか感じるか。
「はっ?オレはなぁ、部屋の掃除をしていて見つかったお前の私物をわざわざ持ってきてやったんだよ」
天国はオレの怒鳴り声にビックリして、ひっくり返りタンスの角に頭をぶつけた。
「ウガッ!!いって〜〜」
泣きながら頭を押さえている天国を無視してオレは言った。
「フンッ。オラァ、まだ残ってんだよ!取りに来い」
「あぁ。分かった・・・」
まだ痛いのか、頭を擦りながら涙声で返事した。
天国がオレの部屋に入ってキョロキョロ周りを見ながら言った。
「うっわ〜きったねー部屋。お前本当に掃除してたのかよ?」
「お前の私物をダンボールに詰めるのに時間が掛かったんだよ」
「えっ?わりー」
ハハハッ、と笑いながら謝った。
「ホラッ、片付けるの手伝え!」
分かった、分かったって。と言いながら天国は横にあったダンボールの中を整理し始めた。
これで部屋が片付くなぁ。と思っていたが、しかしそんなに人生甘くは無かった・・・。
天国の一言で無理になってしまった・・・。
「おっ!なっつかし〜な〜」
「あぁ?お前、何見てんだよ。さっさと片付けろって」
「いいから、いいから。それより沢松もこっち来いよ。懐かしいぜ」
座り込んで何かを懐かしそうに見ている天国の側によって、その手の中にある物を覗き込んだ。
「アルバムじゃねーか。懐かしいな」
「だろ?でもよ、本当に幼稚園の頃からオレってかっこいいな〜」
「はいはい。お前がかっこいいならオレはジャ○ーズに入ってるよ」
「なーに言ってるんだよ、沢松ちゃん」
天国はニヤニヤと気味が悪い笑みをしらがらある写真を指していた。
その指された写真を見ると、そこにはオレが泣きながら天国と手を繋いで写っていた。
「うわっ!!」
オレは自分でも分かるぐらい顔が熱くなった。
「この頃の沢松って泣き虫だったもんなー。いっつもイジメッ子に泣かされてたよな。そして必ずこのオレが助けてやってたんだよな。
あ〜あの頃のお前は素直で可愛かった。毎日毎日『天国くん、天国くん』ってオレの後ろにくっ付いて来てよー」
天国はオレを見て大げさにため息を付いた。
「なっ何だよ」
「今はこんなんだもんな・・・お母さん悲しいわ・・」
「だれがお母さんだ!!」
オレは真っ赤になりながら叫んだ。
そしてオレたちは時間が経つのも忘れて、アルバムに見入っていた。
ふとオレが窓の外が赤く染まっているのに気が付いて
「うわっ!!もう夕方じゃねーかよ。お前のせいで結局部屋の掃除出来なかったじゃねーかよ!
どうしてくれるんだ?今日オレ何処で寝ればいいんだよ・・・」
「オレのせいじゃねーよ。元はと言えばお前が部屋なんかを掃除し始めるから・・・」
「あぁ〜うるせい。今日はお前の所で寝る!ホレッ、布団運ぶの手伝え」
「あぁ?何言ってんだよ」
「・・・あっ!いくらこのオレがハンサム様だからといっても襲うなよ!」
「誰がお前なんか襲うか!」
「お前は寝ぼけると何するか分かんねーから困るんだよ・・・」
「いつオレが寝ぼけたんだよ」
「いっつもだよ。授業中とか―――――」
それからオレたちは母親に怒鳴られるまで言い争いをしていた・・・。
今さら恥ずかしい言わなかったけど、昔のオレにとって天国はスーパーマンだったんだぜ。
「クスンッ。あまぐにぐんありがとう・・・」
「ほら、なくなよ。だいじょうぶだ!オレがおまえをいつでもまもってやるから」
「ぼんどー?」
「あぁ、だからもう泣くな。おとこだろ?」
「うん。ありがとう。あまくにくん」
「ほらっ、もうかえるぞ。ごはんのじかんだ」
あと、猿野・沢松ファンのみなさんすいません。
まだ全然性格をつかめてなくて誰が何だかサッパリですよね・・・。
早くまともな文が書けるようになりたいです・・・。
管理人:友永