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寂しい、だけど幸せな日
太陽が元気良く出ていて、とっても気持ちのいい金曜日。
秋なのに、夏のように暖かく感じる日だった。
宍戸は学校へまでの道のりをトボトボと歩いていた。
部活を引退し、朝練も無いので早く学校に行く必要も無い。
しかし、真面目な性格なのでギリギリという登校の仕方はしないで余裕を持って毎日登校している。
そして、金持ちの子どもたちが通うこの氷帝学園は、リムジンやベンツ等で通う生徒も多いのに、宍戸は徒歩で通学している。
別に他の生徒よりも貧しいわけでもない。むしろ学園でもトップクラスの金持ちだ。
ただあまり目立つのが好きではない為、毎日徒歩で通学しているのだ。
「おはようさん、亮」
後ろから肩を軽く叩かれ振り向くと、そこには笑顔の忍足がいた。
「んっ?侑士、っはよー」
「何や、元気あらへんな?どないした?」
感の鋭い忍足は宍戸が少し元気が無いのに気がついた。
「いや、別に・・・・・」
「?・・・あっ!確か今日は景吾の誕生日やったな。それでかいな」
忍足は一人、うんうん。と頷いて納得していたが、宍戸は何故バレてしまったのだろうかと一瞬不思議に思ったが、忍足にならバレても仕方が無い。
それは、忍足がとてもカンの鋭いヤツだからだ。
「まっ・・な。今年もすげーんだろうなって思ってよ」
「あぁ、昨年は確か・・・倒れて救急車で運ばれた女の子が出たんやったな」
昨年の出来事を思い出しながら言った。
「・・・・・機嫌悪りーんだろうな、景吾」
少し泣きそうな顔をしながら言う宍戸を見て
「大丈夫や、亮。それよりちゃんと祝ってやらんと、景吾は余計に機嫌悪くなるで」
なっ?と言いながら宍戸が安心するように笑顔で言った。
そんな忍足の顔を見て安心した宍戸は、少し照れたように
「ありがとな」
と上目遣いで御礼を言った。
(そんな顔で見んなや。可愛くて抱きつきたくなってしまうやないか)
心の中でこんな事を思っている忍足の気も知らず、宍戸は笑顔で「お前ってほんといいヤツだよな」などと言っていた。
罪な男だ。宍戸 亮・・・。
二人は後少しで学校が見える所まで来た瞬間、キャーキャー騒ぐ声に気付き、ハァーと思いっきり溜息を吐いた。
「昨年より凄いんやないやろか?」
「そうだな。それに、周りの生徒のヤツ等困って学校に入れねーじゃねーか」
門の前では、今か今かというように心を躍らせて跡部の登場を待っている女子中・高生の軍団で占拠されていた。
しかし中には女子大生や若妻、それに少しお年を召したおば様までもがいた。
その数は、・・・・・・・・・・数えられないほどだ。
そのせいで、氷帝に通う生徒たちは中々、門をくぐる事が出来ないで困っていた。
まーこれは毎年の事・・・そう、一種の行事みたいな物なので、諦めて裏門から入ろうと試みる生徒たちが次々と裏に回っていった。
けれどそんな時、一台のリムジンが門の前で止まった。
「跡部様の御車だわ!!」
という声で、門の前で跡部を待っていた女の子たちは一斉に車の周りを囲んだ。
そしてドキドキと跡部が車から出てくるのを待った。
車のドアが開いた瞬間、ゴクッという音が聞こえてきそうになるほど辺りは静まり返っていた。
・・・・・・・・・・
「あぁん?」
と、跡部が口を開いた瞬間
「キャー!!跡部様vお誕生日おめでとうございますvv」
「これプレゼントです。受け取って下さい」
「あの・・・・おめでとうございます」
次から次へと声をかけられ跡部も一瞬驚いたが、フッと笑い「樺地」と呼ぶと
「ウス」
と言い、プレゼントを紙袋にしまっていった。
その様子を遠目から見ていた宍戸と忍足は
「樺地・・・いつからいたんやろ。気付かんかったなー」
「・・・・・・」
切なげに跡部を見ている宍戸に気付き、真剣な顔つきで宍戸の肩を軽く叩き
「亮?・・・行こーか」
「・・・あぁ」
二人は門に向かって歩いていった。
そんな二人に気付いた跡部は宍戸に声をかけようとしたが、横にいた忍足と目が合った。
(今はアカン)
(・・・)
(屋上にいるから、はよ来い)
二人の間ではアイコンタクトが行われた。
宍戸は、もちろんそんな事には気付かないでいた。
「なぁ侑士?何で屋上になんかに来たんだ?朝のHR始まるぜ?」
学校に入って教室には向かわず、屋上に連れてこられた事を不思議に思った宍戸は忍足に問いかけた。
「そろそろやな」
忍足が腕時計を見ながら言った。
「はっ?何が時間なんだよ」
バンッ
そんな時、勢いよく屋上のドアが開けられた。
そしてそこにいたのは、朝からずっと宍戸の頭の中を占めていた人物だった。
「けっ・・景吾・・・」
宍戸が呟くようにその人物の名前を呼んだ。
「おっ来たな。俺は教室に戻るさかい、ごゆっくり〜。先生には言っとくから安心しろや」
じゃぁ〜な〜、と手を振りながら忍足は屋上から出て行った。
「えっ?あっオイ!侑士!!」
宍戸は去って行く忍足に声をかけたが、それを後ろから跡部によって邪魔された。
「景吾?」
跡部に後ろから抱きしめられ、宍戸は顔が真っ赤になった。
「さっきは悪かったな」
囁くように跡部は言った。
「別にいいって。しょうがねーよ、景吾はモテんだからよ」
「何言ってやがる。俺は亮だけでいい。亮以外はどうだっていい」
「景吾・・・・・」
宍戸はこれ以上ないっていうぐらい顔を真っ赤にさせた。そして、まだアレを渡していない事に気付き
「あっ!!言うの忘れてた」
宍戸は急に大きな声を出し跡部を体から離した。
跡部は急に体を押されて少し不満に思い、ムッとした。
そんな跡部の様子にも気付かないで、宍戸はカバンの中をゴソゴソと漁り、綺麗にラッピングされた箱を取り出した。
「景吾、誕生日おめでとう。これ、たいしたもんじゃねーけど。俺からのプレゼント」
照れながらプレゼントを渡す宍戸の姿はとても可愛くて、跡部は抱きしめたい衝動を何とか押さえ
「別にプレゼントなんかいらねーよ。亮さえ側にいてくれた
ら。・・・まー、ありがとな」
跡部は滅多に見せることは無い、心からの本当の笑顔でお礼を言った。
それから二人は教室に戻る事は無く、屋上で跡部の誕生日を祝った。
跡部にとって今までで一番最高の誕生日になったのは、言うまでも無い事だ。
おまけ
「侑ちゃん」
忍足が屋上のドアを開けると、声をかけられた。
「んっ?ジローやないか。どないした?こんな所で」
「べっつに、けーごが走って屋上に向かって行くのが見えたから追いかけてきた」
にこっと笑いながらジローも忍足の後に続き、階段を降りて行った。
「そーか」
「・・・優しいね、侑ちゃんは」
「別にそんな事あらへん。それやったらジロー、お前のが優しいんとちゃう?」
「別に俺はそんな事ないよ。ただ・・・亮ちゃんが笑っていてくれたら・・・」
「俺も・・・同じや」
「うん・・・」
二人は切なげに屋上のドアを見た。
二人の願いは同じ
大好きな人が笑顔でいてくれることだけ
たとえ、自分にとってそれが苦しい事でも・・・・・
ん〜、これって本当に跡宍?忍→宍じゃない?
だって跡部様と亮くん、全然ラブラブしてないじゃん!!!
おっかし〜な〜。これは跡部様Happ Birth Day記念小説ではないの??
それに、誕生日からだいぶ遅れてるし(滝汗)
本当にごめんなさい。跡部様!!!
あと、ジローちゃん出したのは愛が故です。
全然、跡部様と亮くんがラブってくれないので、最後は少し切なく片思い二人組みでしめました。
長太郎はこんな風に大人ではないで、外させて頂きました。
だってまだ中2だからねv可愛く攻めてもらわなきゃ☆
次回こそはラブラブな跡宍を書きたいです。
でも文才ないからな・・・・・。
ジロ宍や忍宍やナンゴクも書きたいのに。ハァー、誰か力を頂戴。
管理人:友永
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