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テスト勉強
放課後、長太郎が部室に行こうと廊下を歩いると、長く綺麗な黒髪を一つに結わってゆらゆらと揺らしながら歩く宍戸の後ろ姿が見えた。
長太郎はその瞬間、顔にぱっと花が咲いたように笑顔になり
「しっ宍戸さぁ〜んvv」
と大きな声で叫び、手をぶんぶんと振りながら走った。
その姿は、まるでご主人様を見つけた大きな犬のようだった。
「あっ?長太郎」
宍戸の横に追いついた長太郎は息を整え、笑顔で話しかけた。
「部室まで一緒して宜しいですか?」
「あぁ、いいぜ」
宍戸の了解を得た長太郎は、今日の授業で起きた楽しい事やあの先生は宿題をやたらと多く出すとか愚痴を言ったりしながら部室まで歩いていった。
そして部室に着き扉を開けたが、そこにはまだ誰も来ていなかった。
「まだ誰も来ていませんね」
「あぁ。そういやチャイムまだ鳴ってなかったっけな。俺のクラス早く授業が終わったから」
「宍戸さんのクラスもですか?俺のクラスもテスト前だからって事で早く終わったんです」
それぞれ自分のロッカーの扉を開け、ジャージに着替えながら話していた。
「そういや、明日からテスト一週間前で部活休みだよな。激ダリィー、テストなんて」
んな事より部活してーよ。とブツブツ言いながら宍戸はベンチに座りシューズの紐を結んでいた。
「でも宍戸さん頭いいじゃないですか。前回だって確か・・・30位内には入っていましたよね?」
長太郎は前回のテスト順位張り出しの紙を思い浮かべながら言った。
「別にテストが出来ねーって言ってるわけじゃねーよ。テストのために部活が中止になるのが嫌なだけ。
それに長太郎、お前に頭いいって言われると嫌味にしか聞こえねーぞ」
宍戸はシューズ紐から目を離し、長太郎を見て言った。
そのセリフに驚いた長太郎はアタフタと慌てながら
「なっなな何でですか?」
宍戸に聞いた。
そんな長太郎の姿を見てプッと笑い、宍戸は言った。
「何でってお前、前回のテストで10位内に入ってたじゃねーか。確か・・・5位だっけ?」
「あ・・・はい」
「なっ?頭のいいヤツに褒められても嫌味に聞こえるだけだ。まっ、長太郎にその気が無いのは分かってるけどよ。まっ、気にするな」
ただ言ってみただけの事だからよ。と笑いながら長太郎の肩を軽く叩いて言った。 あぁ、でも・・・。と少し考えこむように手を口の前に持って行き言った。
「明日から試験勉強でもすっかな・・・・・部活無くて暇だし。それに一つでも落としたらレギュラー落ちだしな」
ここ氷帝学園では『文部両道』がモットーの学校だ。
そして、テニス部ではテストで一つでも赤点を取った場合は即レギュラー落ち・準レギュラー落ちが決まっているのだ。
「そうですよね。レギュラー落ちは嫌ですからね」
と笑顔で答えた。
そして、あっ!と何かがひらめいた。
「っ?何だよ急に大声出して。どうかしたか?長太郎」
慌てて両手で口を塞ぎ、すみません。と一言謝り、急に大声を出した理由を答えた。
「あの、一緒に勉強しませんか?俺、今回のテスト範囲で分からない所があるんですよ」
「はっ?お前がか?」
「はい、数学なんですけど・・・・・・・ダメですか?」
数学が分からないとはまったくの嘘だ。むしろ得意分野かもしれない。
だが、宍戸と二人っきりで勉強。こんなチャンスは滅多に無い。
だから、不安そうな目をしながら上目遣いで聞いた。
実際は長太郎の方が背は高いんだが、雰囲気的にはそんな感じだった。
そんな目で見られた宍戸は、うっ。と言葉に詰まった。
宍戸はこういった目で聞いてくる長太郎に弱かったりするのだ。
なんだか捨て犬を見捨てるような気持ちになるのだと・・・。
もちろんそれを知っての事でやっている長太郎は、かなりの確信犯である。
「まぁー別に構わねーけど、でも教えられるかは自信ねーからな」
宍戸の返事を聞き、長太郎はパァ〜っと笑顔になり
「ほんとですか?有難うございます!!」
と飛びつきそうな勢いでお礼を言った。
「ねー、俺も一緒に勉強していい?」
気配をまったく感じさせないで日吉が宍戸と長太郎の後ろに立っていた。
それに驚いた宍戸と長太郎は、わぁっ。と声をあげ日吉の方に振り向いた。
ハァー、ハァーと胸に手を当て
「日吉っ!テメェー、いるなら一言ぐらい挨拶しろっ!!ったく驚かせやがって・・・」
宍戸はブツブツ言いながら右手の人差し指を日吉に向け、注意した。
「すみません、宍戸先輩」
軽く頭を下げ謝った。
だが、それは本当に心から謝っているのかと問われると困る・・・。
「っで、鳳。その勉強会に俺も参加していい?俺も今回の数学やばいんだよね」
宍戸の方から長太郎の方に顔を向けて話した。
「えっ?」
日吉の言葉に困った長太郎は何て言って断ろうか考えた。
折角の宍戸と二人での勉強会。こんなチャンスを潰されてたまるかと思い、あれこれ言い訳を考えた。
だが、
「宍戸先輩、いいですか?」
そんな長太郎の気持ちを知ってか知らないでかは分からないが、(イヤ、実際は知っているのだが)
完全に無視して宍戸に聞いたのだ。
「あっ?別に構わねーよ。なっ、長太郎?」
と、長太郎の気持ちにまったく気付いてない宍戸は笑顔で言った。
「・・・・・・はい」
ハァー、と長太郎は顔をガクッと落とした。
そうだよなー、俺なんかより同学年の日吉のが分かるって事もあるしな。と言いながらバックからラケット取り出していた。
長太郎はそんな宍戸を切な気に見ていたら、横で着替えている日吉と目が合った。
日吉は、フッ。と笑い着替えを始めた。
(ムカッ!!やっぱり日吉も宍戸さん狙いなのかよ・・・・。くそー、でも絶対に宍戸さんは渡さないんだからな!!)
と一人心に誓い、バックからラケットを取り出し、コートに向かった宍戸の後を追いかけた。
*****
次の日の放課後。
テストまでの一週間、宍戸と長太郎と日吉は放課後図書室で勉強する事にした。
氷帝学園だけあって、図書館もかなりの広さなのだ。
周りに気が取られないよう、いくつか部屋が仕切られているのだ。
個人用だったり、数人で使えるように広い個室だったりで。
もちろん防音設備もばっちりである。なので、よく女の子たちの溜まり場になる事が多い。
「宍戸さん、ここなんですが教えてもらえますか?」
長太郎が問題集のある問題を指して、宍戸に聞いた。
「あぁ?それはだなー」
宍戸が長太郎の指す問題を覗き込み、教えようとシャーペンを持ち体を長太郎に近づけて、ノートに数式を書きこもうとしたが。
「鳳、その問題の解き方なら俺のノートに書いてあるよ」
はいっ。てノートを長太郎に渡した。
それを見て宍戸は長太郎から離れて。
「なら別に俺が教えなくたって平気だよな」
と言った。
「あの、宍戸先輩。ここなんですがどうやって解くのか分からないんですけど・・・」
そして今度は日吉が宍戸に聞いた。
「ん?あぁ、それは・・・この問題の応用で・・・・・」
ノートに数式を書きこみ、この数式の応用だ。と言いながら説明し始めた。
日吉はさり気無く宍戸の近くに寄り、二人で寄り添うような形でノートを覗き込んだ。
そんな二人をボケーっと長太郎は見つめていた。
それから、はっ!!と気付き、日吉を見た。
日吉は、口元だけに笑みを浮かべて長太郎を見た。
そんな日吉を見て長太郎は、わなわなと握り拳を震えさせた。
だが、大好きな宍戸さんの前ではどうにもする事が出来ず、ただ歯を食い縛るだけだった。
「あぁ〜、そう言う事だったんですか。有難うございます。宍戸先輩、教えるの上手ですね」
「何言ってやがる。日吉の呑み込みが早いだけだ」
「宍戸先輩の教え方が上手だからですよ」
ニコッと日吉は宍戸に微笑んだ。
その微笑は日吉ファンの女性なら、別にファンで無くても女なら・・・いや男でも見惚れてしまうほどである。
それに、日吉は滅多に微笑んだりはしない。
そんな珍しい微笑のせいで、宍戸は顔を赤く染めた。
なんだか、そこだけ別世界のようで・・・花がまわりに咲いているようだった。
それを見ていた長太郎は慌てて二人の仲に入ろうと、ある問題を指して宍戸に聞いた。
「宍戸さん!ここなんですが、分からないんで教えてください!!」
「あっ?・・・・・・・・・長太郎。お前、激ダセェー」
と言った。
「えっ?」
と長太郎が不思議そうに問題を見たら、そこには一番簡単な、それも初歩の初歩的問題が書いてあった。
−2+1=
だったのだ・・・・・・。
長太郎はガーンと頭を棒で叩かれたように衝撃を受け。顔を真っ赤にさせた。
宍戸は呆れたように長太郎を見て。
それを見ていた日吉は、プププッ。と小さく笑っていた。
そんな事を毎日、長太郎たちは繰り返していた。
だがそれだけではなく、どこから嗅ぎ付けてきたのか次の日からは忍足と岳人とジローがその勉強会に加わり。
また次の日には跡部と滝と樺地が加わった。
結局、テストまでの一週間みんなで仲良く勉強したのだった
亮くんの髪が長いのは、一度書いて見たかったからです。
ですので、時期的にも亮くんがレギュラー落ちする少し前ぐらいでしょうか?
中学生のテストの時期なんて分からない・・・というかテニプリで今が何月なのかが分からない。
御免なさい。調べるのがめんどくさかったんです。
とうとうやってしまいました!若宍(若→宍←鳳)を!!!
書いてて楽しかったですvもう、若さまLOVEデス☆
最高〜!可愛い〜vめっちゃタイプやんか。許斐先生ありがとー。
もう見た瞬間に、『若宍』決定!って思いましたからね。それほど私は亮くん至上主義なんですよ。
また書きたいな〜っていうか誰か書いて私に見せて下さい!!
だって私の若さま偽者なんだもん(涙)
でも、またトライしてみたいなって思うCPです☆
でも、若さまの性格をつかめていないまま書いた作品だから反応が欲しい・・・誰か感想下さい。
管理人:友永
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